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精神科の専攻医研修の場を選択する際に大事なのはどのようなことでしょうか?
将来、臨床精神科医を目指す先生方にとって、専攻医研修で多彩な症例と出会いその経験を自身のものとすることがとても重要と考えています。精神症状はそのすべてが目に見えるわけではなく、五感の全てに自他の心の動きまでをも加えた総合的な体験として捉えられるものであり、実臨床での豊富な経験なしにその理解を深めることはかなわないからです。
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貴施設が精神科専攻医研修の場として秀でているのはどのような点でしょうか?
当科は大学病院としては診療規模も大きく、精神科救急から気分障害、てんかん、児童・青年期診療等の専門・特殊領域まで幅広く診療を展開しています。このため、各種資格申請に必要な症例の確保に困ることもありません。しかも、精神科救急対応施設であることが指導体制の充実につながっており、これらの症例を無理なく経験できるよう、チーム診療制・役割専念シフト制を採用し、専攻医のストレス軽減にも努めています。
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毎年何名が入局されていますか?
年度によって大きくばらつきがありますが、3~5名ほどです。出身大学は様々です。
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どのような指導体制ですか?
当科は主治医制で、各医師が患者さんを受け持ちます。1年目はそれぞれに中間指導医がつきます。上級医からの日々の指導を受けつつ、毎週行われるチーム回診および教授回診、チームカンファレンスでのディスカッションや指導もあります。受け持ち患者数に特に決まりはなく、各自の到達レベルや業務負担の程度に応じて調整しています。慣れるまでは2~3名を担当しながら勉強していただき、その後は概ね4~6名を受け持つことが多いです。
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取得可能な資格を教えてください。
精神科専門医、精神保健指定医、日本児童青年精神医学会認定医、子供のこころの専門医、日本老年精神医学会専門医、日本てんかん学会専門医、日本精神科救急学会認定医、日本総合病院精神医学会専門医、日本臨床神経生理学会専門医等が取得可能です。
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女性医師のサポートについて教えてください。
出産や育児に関して可能な限り支援を行います。決められたルールはなく、個別に相談し対応しています。男性医師も、2週間~1ヶ月の育児休暇を取得する先生が多いです。
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大学院に所属しなければいけませんか?
大学院入学は必須とはしていません。当科には臨床を中心になさっている先生もおります。しかし、研究を行うことにより、医学論文の読み方を身につけ、論理的思考を養うことができますので、臨床スキルの向上に多いに役立つと思います。精神科専門医取得のために必要なので学会発表は全員が経験することになりますし、学会に参加したり先輩の発表を見たりすることもあるでしょう。そうした機会を通して研究に触れてみて、大学院入学について検討されると良いと思います。