指導医の先生方のお話しの一つ一つが
勉強になりました。
助教
谷木 夏妃 Natsuki Yagi
埼玉医科大学を卒業後、埼玉医科大学病院で2年間の臨床初期研修を受け、2017年入局。
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精神保健指定医と精神科専門医の資格をお持ちですが、どのように精神科研修を積まれたのですか?
入局4年目で精神保健指定医、5年目で精神科専門医の試験に挑戦しました。埼玉医科大学病院神経精神科・心療内科(以下、当科)は精神科救急をやっていることもあり症例が豊富なので、精神保健指定医と精神科専門医のどちらの資格も当科の症例のみで取得することができました。資格取得後は亜急性期から慢性期の病棟での経験も積むために、関連病院に出向する機会もいただけました。
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精神科医としてのお仕事は大変ですか?
初期研修も埼玉医科大学病院だったので、ある程度の大変さは分かっているつもりでしたが、入局してみると思っていた以上に判断に悩むことが多かったです。薬物療法以外にも、心理教育や環境調整など、医療者として出来ることがたくさんあるのが難しさでもあり、面白さでもあると思います。迷った時には指導医の先生にご相談することも多いです。先生方のお話しの一つ一つが本当に勉強になります。
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医局の雰囲気はいかがですか?
良いと思います。指導医の先生方が丁寧にいろいろ教えて下さるのでとても相談しやすかったのが、入局の決め手の一つでした。仕事が終わっても何となく残ってしまうくらい、居心地が良いですね。研究をされている先生がいたり、育児をされている先生がいたり、それぞれのペースで働けていると思います。
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入局を考えている後輩の先生方にメッセージをお願いします。
当科では、急性期の入院から慢性期の外来管理まで幅広く経験することができます。様々な専門分野を持つ指導医の先生方の下で働くのはとても良い経験になると思います。一緒に働けるのを楽しみにしています!
研究をしながら専門医・指定医を
同時に取得しました。
助教
上村 永 Hisashi Kamimura
埼玉医科大学を卒業後、埼玉医科大学病院で「研究マインド育成自由選択プログラム」のもと2年間の臨床初期研修を行いながら社会人大学院生として大学院へ入学。2018年入局。2022年に学位を取得。
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初期研修医のときから精神科医になろうと考えていたのですか?
自分は父が精神科医であり、物心がつくときから自然と精神科医を目指していました。初期研修医のときには精神科医を目指すにあたって、今のうちに身につけなければいけないことは何かを考え、様々な診療科をローテションしました。当科は身体合併症例を診る機会も多く、初期研修医の時の知識がとても役に立っています。
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精神保健指定医と精神科専門医をとりながら、学位も取得されたそうですね。
はい。指定医と専門医は精神科での経験を3年間積むことで受験することができます。受験のタイミングをずらすことも出来たのですが、自分の限界に挑戦しようと同時期に受験しました。様々な事情で学位論文の作成も同じ時期になってしまい大変な思いをしましたが、先輩の先生方のご指導のおかげで無事すべての資格を取得することができました。
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医局の魅力は?
当院は大学病院でありながら、地域の基幹病院であるという特徴からありとあらゆる症例を経験することができます。また、「精神科救急」「気分障害」「神経発達症」「てんかん」「認知症」と幅広い専門性を有しており、それぞれの専門の先生に気軽にご指導いただける点も気に入っています。
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これから力を入れたいことは?
自分が先輩の先生方から受けてきたように後輩達の指導にも力を入れていきたいと考えています。しかし、精神科医としてはまだまだ未熟であるため、精神科の知識をより身につけなければいけません。また、研究や学会発表にも引き続き力を入れていきたいです。
精神科医がてんかん診療を
行う貴重な環境です。
准教授
渡邊 さつき Satsuki Watanabe
山梨医科大学卒業後、甲府共立病院で初期研修を終え、国立精神・神経医療研究センター、東京医科歯科大学、マギル大学モントリオール神経研究所(カナダ)を経て、2017年入局。
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入局までにさまざまな経験を積まれていますね。
初期研修時代に精神科に興味を持ち、国立精神・神経医療研究センターに入りました。当時、同センターには全国的に珍しい「てんかん専門病棟」があり、脳波とてんかんに関心をもつようになりました。海外では、てんかんは脳神経内科の領域とされていますが、てんかんと精神症状の合併もありますし、てんかん分野には精神科医も必要であると感じました。精神保健指定医・精神科専門医・てんかん専門医を取得後、てんかんの脳波研究で名高いカナダのマギル大学モントリオール神経研究所に留学しました。
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埼玉医科大学の神経精神科・心療内科を選ばれた理由は?
2年間の留学を終えて、国立精神・神経医療研究センターに常勤医として勤務しましたが、諸事情によって「てんかん専門病棟」が神経内科病棟に移行されました。そのまま残る選択肢もありましたが、精神科病棟でてんかんの診療と若手教育を行いたいという気持ちが強く、ちょうど埼玉医科大学病院で精神科・小児科が中心となって「てんかんセンター」が立ち上がると知り、自分のやりたいこととマッチしていると思って入局しました。
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医局の魅力は?
新しい挑戦を尊重してもらえることです。実は入局するまで、大学病院の医局は「保守的で頭が硬い」イメージがあったのですが、全然違いましたね。入局して良かったと思っています。私の希望で病棟に設置していただいた「長時間ビデオ脳波モニタリング(VEEG)」は、てんかん発作の様子と発作時脳波を詳しく確認する専門的な検査で、ほぼ休みなく毎週稼働しています。また、ビデオ画像からてんかん発作を検知するシステムの開発研究も行っています。
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今後の目標は?
脳波やてんかんに詳しい医師を一人でも多く増やすことです。私一人が頑張っても、担当できる患者さんの数は限られているので、てんかん専門の研修プログラムを用意して他大学の先生にも門戸を開き、てんかんの知識をどんどん広めていきたい。てんかんの患者数は、100人に1人といわれています。臨床と研究を通して、この疾患の診断や治療に少しでも貢献できたら嬉しいですね。