一人の母親として、患者さんのご両親に
寄り添える女医になりたいです。
助教
横山 香 Kaori Yokoyama
埼玉医科大学卒業後、自治医科大学附属さいたま医療センターで2年間研修、2016年入局。
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初期研修中にご結婚をされたとか。
はい。研修1年目に結婚しました。2年間の初期研修を終えて埼玉医科大の精神科に入局したのですが、その2年後に出産して育休をいただき、子どもが1歳になった半年前に職場復帰しました。ずっと夢だった医者になったからには一生続けていくつもりなので、子どもが1歳になったらすぐ復帰しようと決めていました。今は時短勤務で働かせていただいています。
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やはり育児と仕事の両立は大変ですか?
想像以上に大変です(笑)。育児をしていると自分の時間がまったく取れないんです。幸い、病院内に保育園があるので、子どもを預けて仕事に集中できるのは本当にありがたいです。私の場合、ずっと家にこもって子育てをしているより、働くことで育児にメリハリが生まれて、息抜きもできています。もちろん、教授やスタッフの皆さんのサポートあってのおかげなので感謝しています。
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医局の雰囲気はいかがですか?
すごくいいです!教授をはじめ皆さんがとても明るく、しかもアットホームで居心地がいいんです。最近は、若いスタッフにも学会で発表する機会がどんどん与えられるようになって、医局内の雰囲気がアカデミックになった印象があります。
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今後の目標は?
小児の精神科を専門にしていきたいと考えています。子どもには大きな未来があるし、良くなる可能性も十分に秘めていますから。今後はADHDや広汎性発達、自閉症スペクトラムなどの症例を増やしながら、指定医や専門医の資格を取得したいです。また、一人の母親として、患者さんのご両親に寄り添える医師になりたいと思っています。
研修医と大学院生を両立することで
専門医・指定医を最短で取得できました。
助教
下出 崇輝 Takaki Shimode
埼玉医科大学卒業後、2013年に精神科で初期研修を受けると同時に「社会人大学院制度」を利用して大学院に入学。2015年入局、2019年学位取得。
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初期研修と同時に社会人大学院にも入学されたそうですね。
学生時代から臨床だけでなく研究にも携わりたいと考えていたので、そのマインドが消えないうちにチャレンジしようと。ちょうど「社会人大学院制度」がスタートした年で、私はその第1期生です。研修と院生の両立は楽ではありませんでしたが、医局には臨床をしっかりするうえで研究もされている先生が多く、その背中を追いかけることで、自然に成長することができたと思います。
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学位だけでなく、専門医と指定医も取得されたとか。
はい。専門医と指定医は初期研修も含めて卒業後5〜6年目から受験できるのですが、医長をはじめ先輩方に強力にサポートしていただいたおかげで、いずれも最短のスピードで取得できました。研究のテーマは「脳波」で、ADHDの患者さんの診断指標に役立つとされる「事象関連動機」を論文にしました。このように研究しながら専門医・指定医の取得も目指せる「社会人大学院制度」は、すばらしい制度だと思います。
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医局の魅力は?
大学病院でありつつ地域の基幹病院でもあり、精神科のなかで数少ない救急病棟や合併症の病棟も備えている環境です。児童から高齢者までさまざまな疾患に対応できるので、自己研鑽を積む場としては最適だと思います。また、本人の意志を尊重して、やりたいことを応援してくれるところも魅力です。
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これから力を入れたいことは?
サブスペシャリティを持つ医師になりたいので、まずは児童精神医学の専門医取得を目指します。そして研究面では、教授の指導をいただきながら、脳波や気分障害をテーマに進めていくつもりです。希望すれば国内外問わず留学も後押ししていただけるので、近い将来、ぜひ留学もしたいと考えています。
精神科医がてんかん診療を
行う貴重な環境です。
准教授
渡邊 さつき Satsuki Watanabe
山梨医科大学卒業後、甲府共立病院で初期研修を終え、国立精神・神経医療研究センター、東京医科歯科大学、マギル大学モントリオール神経研究所(カナダ)を経て、2017年入局。
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入局までにさまざまな経験を積まれていますね。
初期研修時代に精神科に興味を持ち、国立精神・神経医療研究センターに入りました。当時、同センターには全国的に珍しい「てんかん専門病棟」があり、脳波とてんかんに関心をもつようになりました。海外では、てんかんは脳神経内科の領域とされていますが、てんかんと精神症状の合併もありますし、てんかん分野には精神科医も必要であると感じました。精神保健指定医・精神科専門医・てんかん専門医を取得後、てんかんの脳波研究で名高いカナダのマギル大学モントリオール神経研究所に留学しました。
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埼玉医科大学の神経精神科・心療内科を選ばれた理由は?
2年間の留学を終えて、国立精神・神経医療研究センターに常勤医として勤務しましたが、諸事情によって「てんかん専門病棟」が神経内科病棟に移行されました。そのまま残る選択肢もありましたが、精神科病棟でてんかんの診療と若手教育を行いたいという気持ちが強く、ちょうど埼玉医科大学病院で精神科・小児科が中心となって「てんかんセンター」が立ち上がると知り、自分のやりたいこととマッチしていると思って入局しました。
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医局の魅力は?
新しい挑戦を尊重してもらえることです。実は入局するまで、大学病院の医局は「保守的で頭が硬い」イメージがあったのですが、全然違いましたね。入局して良かったと思っています。私の希望で病棟に設置していただいた「長時間ビデオ脳波モニタリング(VEEG)」は、てんかん発作の様子と発作時脳波を詳しく確認する専門的な検査で、ほぼ休みなく毎週稼働しています。また、ビデオ画像からてんかん発作を検知するシステムの開発研究も行っています。
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今後の目標は?
脳波やてんかんに詳しい医師を一人でも多く増やすことです。私一人が頑張っても、担当できる患者さんの数は限られているので、てんかん専門の研修プログラムを用意して他大学の先生にも門戸を開き、てんかんの知識をどんどん広めていきたい。てんかんの患者数は、100人に1人といわれています。臨床と研究を通して、この疾患の診断や治療に少しでも貢献できたら嬉しいですね。